LED テクニカルガイド

LEDの特長

・照明機器の設計の自由度が高い
・従来のランプに比べてはるかに長寿命
・点灯・消灯の応答速度が速い
・発光色が選択できる
・トータルでのランニングコストが低い
・衝撃や振動に強く破損しにくい

LEDの種類

LEDにはいくつか種類があります。
砲弾型(リードフレーム型)と表面実装型(SMD型)に大別されます。
発光原理は基本的に同じです。

表面実装型(SMD型)LED

表面実装型
(SMD型)

砲弾型(リードフレーム型)LED

砲弾型
(リードフレーム型)

分光分布図(代表例)

分光分布図

LED 照明器の上手な使い方

LEDは高温で連続使用すると寿命が短くなります

高温状態で長時間ご使用になりますと、徐々にLEDが劣化し放射出力が低下していきます。

自発熱によるLEDの劣化や放射出力の低下を防ぐには

最大調光での使用は控える

最大の調光値を下げた状態で使用すると、照明に流れる電流も少なく発熱も低くなり、LEDの劣化を抑えることができます。
調光値の低いところから使用を始め、照明の放射出力の低下度合いに応じて調光値を上げていくご使用方法をお薦めします。

画像の取り込み時のみ点灯する

LED照明はスイッチングに強い照明です。ストロボ発光や外部信号入力により画像の取り込み時のみ点灯させることで発熱を抑えられ放出出力も安定し、長寿命が期待できます。

LEDの注意点

LEDの寿命について

白熱灯のように突然切れ点灯しなくなることはありませんが、徐々に劣化していきます。
一般的に周囲温度25℃においてLEDの照度が初期の値と比べ70%になる時間を『LEDの寿命』と表現します。

LEDのバラツキについて

LEDは製造段階で特性値の分布、いわゆるバラツキを持っています。また発光色についても異なる場合があります。

波長のシフトについて

LEDの発光スペクトルは、周囲温度や通電時の発熱により変化します。

照明選定に必要な確認事項

分析・試験・検査の対象として使う物質(ワーク)の形状や状態 色など

物質(ワーク)の例

アプリケーションプログラム

外観検査 / 員数検査 / 文字認識 / 液量検査 / 異物検査 / 有無検査 / 寸法計測 / コード認識

画素分解能

カメラで撮像したときに画像として 映る範囲、視野の大きさ

撮像例(電池)
撮像例(携帯電話)
撮像例(カギ)

設置条件や周囲環境

周囲の装置類や、製造ラインの搬送速度

・照明とワークとの距離
・製造ラインの搬送速度
・周囲の装置類など
製造ライン設置例

照射方法による撮像の効果

透過照明(明視野) 透過照明(暗視野) 正反射照明(明視野) 反射照明(暗視野) 斜光照明(暗視野)
透過照明(明視野)イメージ 透過照明(暗視野)イメージ 正反射照明(明視野)イメージ 反射照明(暗視野)イメージ 反射照明(暗視野)イメージ
カギの形状
フィルムのキズ
カード表面のキズ
コンパクトディスク
名刺
カギの形状(通常撮像)
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カギの形状(透過照明による撮像)
フィルムのキズ(通常撮像)
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フィルムのキズ(透過照明による撮像)
カード表面のキズ(通常撮像)
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カード表面のキズ(正反射照明による撮像)
コンパクトディスク(通常撮像)
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コンパクトディスク(反射照明による撮像)
名刺(通常撮像)
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名刺(反射照明による撮像)
斜光照明(ローアングル) 同軸落射照明 ドーム照明 同軸落射+ドーム照明 同軸落射+ドーム+ローアングルリング
斜光照明(ローアングル)イメージ 同軸落射照明イメージ ドーム照明イメージ 同軸落射+ドーム照明イメージ 同軸落射+ドーム+ローアングルリングイメージ
五百円硬貨
コンパクトディスク
包装された筆記具
携帯電話
球体
五百円硬貨(通常撮像)
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五百円硬貨(遮光照明による撮像)
コンパクトディスク(通常撮像)
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コンパクトディスク(同軸落射照明による撮像)
包装された筆記具(通常撮像)
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包装された筆記(ドーム照明による撮像)
携帯電話(通常撮像)
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携帯電話(同軸落射+ドーム照明による撮像)
球体(通常撮像)
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球体(同軸落射+ドーム+ローアングルリングによる撮像)
光の三原色

Red, Green, Blueの光を合成することで、さまざまな色を表現することができます。

光の三原色
加法混色
(加色法)
色を混ぜ合わせて決定するため加法混色といいます。
GとBでCyan(C)、BとRでMagenta(M)、RとGでYellow(Y)になります。RGBを合成することでWhite(W)となります。
補色
2つの色光を混ぜ合わせると白色光になるものを補色といいます
赤RとシアンCは補色の関係にあります。
同様に緑Mの補色はマゼンタM、青Bの補色は黄色になります。

正反対の傾向の光を使用すると、ワークの特長が暗く見えるようになります。
同一の傾向の光使用すると、ワークの特長が明るく見えるようになります。

照明選定方法

1. 照射方法を決める

検査項目・対象物の特長により、透過光・反射光・正反射光・拡散反射光など、適した照射方法を決める

2. 照明器の形状を決める

対象物の形状や設置条件により、照明器の形状を決める

3. 発光色(波長)を決める

対象物と検査項目・背景色・材質などから発色を決める状況により、赤外・紫外なども検討

可視光照明

ハガキ(可視光照明で透過)
arrow_right

紫外光照明

ハガキ(赤外照明で透過)

可視光照明

千円札(可視光照明で透過)
arrow_right

赤外光照明

千円札(赤外照明で透過)

照明光源の種類

光源 明るさ 均一性 寿命 形状 波長 応答性 価格 消費電力
LED
機種により
メタハラに匹敵

素子選別
拡散

約30,000
時間

設計自由度が
高い

UV~IRまで
選択可

高速ON/OFF
可能

メンテナンス費
大幅減

低消費
電力
蛍光灯 ×
ハロゲン × ×
メタハラ × × × ×

LEDの発光スペクトル

LEDはそれぞれに特定の発光波長をもっています。次のグラフは各発光波長の例です。色発光色による特長を考慮に入れ、波長を選択してください。

各LED発光波長グラフ

偏光フィルタの効果

偏光フィルタ未使用撮像 arrow_right 偏光フィルタ使用撮像

一定方向の光だけを通す性質を持っているフィルタ、PLフィルタともいいます。光沢ワーク表面の映り込みなどを抑えたい場合に有効です。

ライトコントロールフィルムの効果

ライトコントロールフィルム未使用撮像 arrow_right ライトコントロールフィルム使用撮像

光の拡散をおさえ、並行度を上げる効果が期待できます。

発光色の選定

R/G/B/C/M/YのカラーパターンにW・R・G・B各色の照明を照射した時の、白黒カメラでの撮像サンプルです。

R/G/B/C/M/Yに対する各色照明の白黒撮像サンプル

画像処理

エリアセンサカメラとラインセンサカメラの比較

エリア(センサ)カメラ

エリア(センサ)カメラ

受光素子が短形に配置される

ライン(センサ)カメラ

ライン(センサ)カメラ

受光素子が横一列(複数段の場合もあり)

エリア(センサ)カメラのイメージ

エリア(センサ)カメラ

二次元的な広がりをもった画像が得られるため、直感的になじみやすく導入しやすい。

ライン(センサ)カメラのイメージ

ライン(センサ)カメラのイメージ

高解像度の画像の撮影に適しているが、ワークを移動しながら撮像しなければならないため、ワークの搬送系が必要になりエリアセンサに比べ撮像システムが複雑になる。

エリア(センサ)カメラでの撮影

エリア(センサ)カメラでの撮影

ライン(センサ)カメラでの撮影

ライン(センサ)カメラでの撮影

適用分野

マシンビジョンイメージ

マシンビジョン

半導体・電気電子、金属・機械・製紙・ガラス・フィルム・二次電池検査:

Aitecsystemは、サブミクロンの高精度、サブミリ秒の高速性、高い品質管理が求められる多様なマシンビジョンアプリケーションに対応します。

ロボットビジョンイメージ

ロボットビジョン

3次元計測・位置決め・搬送・組み立て・検査、ロボット・機械制御:

CADモデルを用いた位置決めや立体形状検査などAitecsystemの特長的な3Dビジョンテクノロジーは新たな可能性を切り拓きます。

物流・パッケージングイメージ

物流・パッケージング

品質管理、完全性検査、トレーサビリティ、自動認識、オブジェクト識別:

Aitecsystemは物流・パッケージングの様々な工程で効率を向上させる画期的なメソッドをお届けします。

食品・医薬品イメージ

食品・医薬品

Aitecsystemは多岐に渡る要求仕様に対して安定した信頼性の高いソリューションを提供します。

医療用機器イメージ

医療用機器

Aitecsystemは高解像度が求められる内視鏡・血液分析・分注機などの先進的な分野で有効な画像解析を実現します。