UV テクニカルガイド

UV硬化のしくみ

1. UV硬化の用途

 UV硬化(UV Curing)とは

V硬化とは、紫外線硬化樹脂などに紫外線を照射することにより重合反応が起き液体が固体になるプロセスを指します。
UV硬化は現在の産業界において必要不可欠な基礎技術としていろいろな分野で利用されています。

UV硬化の用途

・UV接着、粘着材、光学レンズ、ラミネート
・表面コーティング(合板、鋼板、プラスチック部品など)
・半導体製造工程におけるレジスト
・UVインクの乾燥(硬化)、電子部品への印字硬化
・歯科材料、3D光造形
・液晶フィルムディスプレイ基板、カバーガラスなどの接着

UV硬化のメリット

・熱乾燥処理が不要なため乾燥のための設備スペースが不要。
・硬化するまでが数秒と高速で製造ラインのボトルネックになりにくい。
・ワークへの熱ダメージが低減できる。
・硬化時に発生する揮発性有害物質(VOC)が発生しない。
・体積変化が極めて少ないので精密部品の接着に有効。

2. 紫外線で固まる理由

 UV硬化の仕組み

照射された紫外線により化学反応が起こり、「液体→ゲル状→固体」と変化します。この時に起こる反応を重合反応といいます。
重合反応とはモノマー(単量体)やポリマー(重合体)を反応させて繋ぎ合わせ、目的のポリマーを合成する化学反応のことをいいます。
元となるモノマーやポリマー、目的とするポリマーの種類や形状により、様々な重合方法が存在します。

モノマー

モノマーが数十個結合することで
オリゴマーと呼ばれる

オリゴマー

さらに数百個以上
結合することで
ポリマーと呼ばれる

ポリマー

 紫外線硬化樹脂

紫外線硬化樹脂は一般的にプレポリマー、モノマー、光重合開始剤、添加剤で構成されており、以下の役割を持ってます。
そのため、照射装置(光源)と紫外線硬化樹脂(プレポリマー、モノマー、光重合開始剤、添加剤)を正しく組み合わせることが重要です。

プレポリマー 紫外線(UV)硬化樹脂の主成分
モノマー 樹脂の粘度調整をする反応希釈剤
光重合開始剤 紫外線を照射されると光重合結合反応を開始する化合物
添加物 充填剤・着色剤・チクソ剤

3. ランプ光源とLED光源

紫外線照射によるUV硬化のための光源として、これまでは水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどが主流でしたが、
近年、低消費電力・長寿命であるLED光源が採用されるケースが非常に増えています。

LED光源の性質 ランプ光源(非LED)
消費電力
発熱 少ない 多い
波長域 狭い 広い(ブロード)
点灯制御 ミリ秒単位の点灯・消灯の切り替え制御が出来、細かな調光も可能 電気的な細かい制御が出来ないため点灯・消灯の切り替えに時間がかかる
寿命 寿命が長いため、交換頻度が低い ランプ寿命が短いため、高頻度の交換が必要
環境負荷 水銀を含まないため環境負荷が低い 水銀など有害物質を含むため環境負荷が高い

4. UV硬化の速度

UV照射によって樹脂が硬化する際、数秒程度で硬化します。
しかし周囲環境や照射器とUV硬化樹脂の組み合わせにより硬化速度が遅い場合や表面にタックが残る場合、硬化しない場合もあります。

5. UV硬化を妨げる要因

UV硬化は環境、UV硬化樹脂、照射強度、波長といった4つの要素が重要です。

ケース1: 酸素の影響

大気中の酸素の影響で反応が阻害される場合があります。
・光重合開始剤の酸素による脱活性
・開始剤や成長ポリマーと酸素の反応
照射雰囲気を窒素やその他の不活性ガスで置換する方法で酸素阻害を軽減する方法があります。

ケース2: 高湿度

高湿下で硬化反応が著しく損なわれる場合があります。
照射環境の湿度を確認して硬化に適な環境にしてください。

ケース3: 硬化剤の配合と照射光

光重合開始剤の配合と照射するUVの波長が適合していない。
UV硬化剤樹脂とUV波長の選定を最適にしてください。

ケース4: 硬化膜が厚い

硬化剤の膜が厚すぎて表面近くが先に硬化し、奥まで光が届かず固まらない場合があります。
適正膜厚を再検討してください。

ケース5: 照射強度

照射強度が弱い場合。
この場合ハイパワーUV-LED照射装置をご検討ください。